計画立案と材料手配
大邱市の実業家が友人である医師会会長の医院の改装に伴い、寄贈した日本庭園。私の大学時代の友人である、大邱ハンイ大学校・権奇燦教授に紹介いただいた。
既存の塀は瓦を小端状に積み上げ漆喰で塗り籠めたもので、趣がある。日本から手彫りの四方仏の手水鉢(北木石)、桂離宮の写しの雪見灯篭(北木石)と織部燈籠(豊島石)を船便で送りました。
Plan1 計画図 Plan2 計画図 Plan3計画図
現地での材料調達と施工
設計・監理者として西川が、植栽工として峰園芸・峰栄吉氏、石組工として河合造園・河合一彦氏が、韓国人の造園工3名が、6日かかりで施工ましした。既存庭の解体工事中に、現地で景石と庭木のの買い付けを行いました。
事前に打合せを行い、水鉢に筧から流れ溢れ出た水が流れとなり、広がって行く様子を枯山水で表現したプランに決定しました。燈籠や白河砂の発注は事前に行ったが、景石や植木の選別や買付けも工期内に行いました。
石組み作業 施工状況 院長、施工スタッフと
サッシュ廻りの石張りは四半張りで、斜め45°で1.5枚分でかつ、水勾配を2%とり、建物の角で割付が綺麗になるように、現地の石屋にリクエストしましたが、注文の細かさに地元四社が施工辞退してきました。結局、同行した河合氏が施工する事となりました。
織部灯篭の背景は、日本から航空便で持ち込んだ杉皮、押さえの煤竹、それを押える貝折れ釘で施工、手水鉢の筧と共に持ち込みました。手前の石臼は院長より既存のものを使って欲しというリクエストに応え、据えました。
After
現場の大邱は盆地で気候が厳しくツバキが生育する北限だといわれています。
織部燈籠の背後に約2mのツバキを植えました。



桂離宮の写しの雪見燈籠 四方仏の水鉢 南西から南東を見る
院長室より 待合室より 庭園鳥瞰
韓国・大邱市寿城区 (`02年 平成14年10月完工)実質工期6日